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本日ここに、伊方町議会・第40回定例会を召集いたしましたところ、議員各位には、何かとご多忙の中ご出席をいただき、提案申し上げます案件につきご審議いただきますことに対し、深く敬意と感謝を申し上げる次第であります。また、各位には、日頃から町政の推進に格別のご理解とご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。
さて、先ほど会議に先立ち、全国町村議会・議長会より「15年在籍議員の表彰」を受賞されました4名の議員に、長年の功労に対する感謝状を贈呈させていただきました。改めまして一言お祝いを申し述べさせて頂きます。篠川長治議員、菊池孝平議員、中村敏彦議員、小泉和也議員におかれましては、このたびの受賞誠におめでとうございます。皆さんは合併前の旧町の議会議員選挙において初当選され、合併後の伊方町議会議員といたしましても、これまで15年以上の永きに亘り議員活動にご尽力され、長年に亘る活動を通じて地域の発展や住民福祉の向上、そして何よりも伊方町の発展に尽くされたご功績によりまして、このたび表彰の栄に浴されました。ここに町民を代表して、これまでの並々ならないご労苦に感謝を申し上げ、その輝かしいご功績をお讃え申し上げます。受賞された皆さまにおかれましては、引き続き伊方町の更なる発展のために、一層ご活躍をいただきますよう切にお願い申し上げ、言葉足りませんがお慶びの言葉とさせていただきます。
さて、皆さまご承知のとおり、伊方町はこの4月1日に合併から満10年を迎えることになります。そこで、新たな節目を迎えた伊方町の町政運営について私の所信の一端を申し上げ、議員の皆さまをはじめ町民の皆さまにご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私は町長就任からこれまで、公平公正な行政運営を基本に、合併時の約束事である新町建設計画に掲げた事業を実現するため、全力で取り組んで参りました。そこで、昨年末には合併後の新町の10年間及び私のこれまでの任期8年間を振り返り、合併後のまちづくりについての検証作業を行いました。その結果を集約いたしますと、新町建設計画に掲げた主要事業につきましては、町議会及び議員各位のご理解とご協力によりまして、全体の約8割の事業を実現することが出来ました。また財政運営面においては、合併特例債の発行を出来る限り抑制して事業に取り組んだことや、行財政改革による人件費の削減をはじめとした効率的な財政運営の実現により、各種財政指標についてはすべてにおいて極めて健全な財政運営を示す数値を確保することが出来ております。しかしながら、東日本大震災の発生後、四国電力伊方発電所が長期間にわたり運転停止となっている影響などから、税収の落ち込みや財政力指数の低下により今後の財政運営面での不安要因は年毎に大きくなるものと予測されます。また、合併に伴う国の財政支援につきましても平成27年度からのちは年毎に縮小されることになっておりますので、健全な収支バランスの維持そのものが深刻な状況になって参ります。更に、昨年5月の「日本創生会議・人口減少問題分科会」が発表した「全国の市町村における将来推計人口」によると、2040年、平成52年には伊方町の人口が半分に減少するとの指摘であり、国も地方創生という大きな問題に本格的に着手いたしまして、少子化による人口減少に歯止めをかけ、東京への一極集中の流れから地方へと人と物の新たな流れの創出に力を入れているところであります。このように、伊方町は合併から10年という節目において行政運営を取り巻く環境が大きく様変わりしようとしています。
そこで、これからの時代に取り残されること無くこの先の厳しい状況を乗り越えていくためには、何が必要であるのか。また、何をしなければならないのか。それが最も重要な課題であります。私はこれまで、町の基幹産業である第1次産業の活性化や高齢者福祉の充実、子育て支援、そして伊方原発の停止後においては、新たな観光振興策による地域振興などについて最重要課題と位置づけ、積極的に取り組んで参りました。しかし、現在、国は、これまでの地方分権改革に加え地方創生に向けて地方の知恵・アイデアに主眼を置いた方向に切り替わりつつあり、地方にとりましては自ら持つ知恵の質が問われ、また、その知恵を政策として実現させる能力が有るかどうかが問われる時代になったと受け止めております。従いまして、これまで取り組んで参りました各種事業につきましては、これまでの実施状況を点検評価し見直しを行いながら、必要な事業については継続して取り組んで参りますが、新たに地方創生にむけた取り組みとして、人口減少問題の克服や新たな雇用の創出、さらに若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえるための政策等の実現に、積極的に取り組まなければならないと考えてございます。
私は、町長就任以来、日夜を分かたず、絶えず、伊方町政を進めるにあたり今は何を成すべきか、何が必要であるのか、このことについて考え続けて参りました。そして今、私は、伊方町が良くなるには、職員がより良い方向に変わり、役場が町民の役に立つ良い役所になること。また、町が元気になるには、職員が元気になり、役場が町の元気の源になること。このことに尽きるとの思いに至っております。そのためには、職員の協力が不可欠であります。このまま人口が減少し、将来町が消滅するような事態を深刻に受け止めざるを得ない状況にある今日、この合併から10年というタイミングにおいて、思い切ってこれまでの考え方を切り替えて、必要な行動を起こさなければ、取り返しがつかない状況に陥ることになります。そのことを職員一人ひとりが真剣に考え、向き合い、地域の声や要望を的確に捉えて住民福祉の向上につなげていく必要があります。幸い、先の議員全員協議会におきまして、議会からも地方創生に対する取り組みの重要性や、町職員の意識改革の必要性について大変有難いご意見を頂きまして、私の、このような考えを後押しして頂きましたので、私自身、大変心強く思っているところでありますが、具体的には、日常における行政、いわゆる役場と民間の感覚的なズレや、町職員と地域住民との距離感といったものを出来る限り無くするように努め、町民の暮らしや住民の目線に立った状況把握を的確に行い、職員は各自が暮らしている地域において実施されている自治活動等に積極的な関わりを持つようにいたします。また、行政と地域住民との協働によるまちづくりを推進するに当たり、地域が有する文化や知恵といったものを政策形成に反映することが出来るよう、職員が各地区や区長さんとのパイプ役を務める「地区担当制度」について、平成27年度の実施に向けた検討を行うよう副町長に指示しているところであります。また、町職員の意識改革と政策立案能力の開発に向けた職員研修の実施についても、今まで以上に内容を充実し、継続的して取り組む必要があると考えてございます。
以上のように、合併10周年を区切りとして、伊方町の変革に向けた新たな取り組みを職員と共に進めて参りたいと考えてございますので、町議会の皆さまにおかれましても、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
次に、平成27年度当初予算について、若干述べさせて頂きます。
平成27年度一般会計の当初予算につきましては、26年度当初予算が町長選挙により骨格予算としたことから、昨年度に比べ3億3千3百万円の増となり、総額で91億5千1百万円の予算規模となっております。予算に計上した目新しい事業につきましては、
・老朽化した三崎保育所の移転新築のための設計費用
・放課後学童クラブの運営費
・高齢者のいきがいづくりのための野菜苗の配布
・町内小学校にタブレット型ノートパソコンの整備
・小学校低学年を対象とした英語スクールの開催
・愛媛国体のためのスポーツセンターの改修等事業
・観光による地域振興の為の佐田岬灯台周辺整備
・合併10周年記念式典及び関連事業の開催
などでございます。
なお、第1次産業の活性化や高齢者福祉の向上、防災・減災対策の充実など、これまで取り組んで参りました事業については継続して取り組むほか、万が一の災害に備えた財源を確保するための「災害対策基金」を平成25年度に創設しておりますが、来年度も新たに2億5千万円の積み立てを行いまして、総額で7億円の積立金とする予定であります。
また、先ほども申し上げましたが、平成27年度の大きな動きといたしましては、国の地方創生の動きが中心となって参ります。そのことにつきまして、国の補助内容や今後の動向につきましては、未だその詳細を十分に把握できておりませんので、今後、国の動向に注視し、その財源を有効に活用すべく積極的に手を挙げて予算獲得に努め、補正予算等で対応させていただく考えでありますので、何卒ご理解を頂きまして、当初予算案についてはご承認賜りますようよろしくお願い申し上げる次第でございます。
さて、今定例会にご提案いたします案件でございますが、
・報告事項、1件
・条例制定及び改正に関する議案、23件
・平成26年度一般会計及び特別会計補正予算、12件
・平成27年度一般会計及び特別会計当初予算、12件
・そのほか 2件
でございます。
いずれの案件も、町政を進める上で非常に重要な案件であります。
会期中よろしくご審議のうえ、ご決定頂きますようお願い申し上げ、私の挨拶といたします。