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本日、ここに、伊方町議会第79回定例会を招集しましたところ、議員各位には、何かとご多忙の中、ご出席を賜り、感謝を申し上げる次第でございます。
また、日頃から、町政の推進に格別のご理解とご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。安堂議員におかれましては、初の定例会となりますが、ご活躍を申し上げますとともに、今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします。
さて、私にとりましても、再選後、初の定例会となります。議会をはじめ、職員や町民の皆さま、また、すべての関係者の皆さまとともに、ふるさと伊方町のまちづくりに、しっかりと取り組んでまいりますので、何卒よろしくお願いを申し上げます。
それでは、私が進めてまいります、3期目の町政運営に対する所信の一端につきまして、申し述べさせていただきます。
8年前、当時まだ、合併前の旧町意識が残っているなか、少しでもこの垣根を取り払いたいという思いと、幾たびかの選挙によって町内が分断されていた状況から、「融和と発展」をスローガンに掲げ、私の1期目がスタートいたしました。おかげさまで、議会をはじめ、関係者の皆さま、そして何よりも、町民の皆さま方のお力添えをいただき、「融和」という意味では、ある程度の成果が得られたのではないかと思います。
そして2期目を迎えるにあたっては、「融和を発展に結び付けなければ」との思いから、「未来への責任」をスローガンに掲げ、人口減少対策や農林漁業、観光、原子力発電所対策など、様々な課題に対して、関係者の皆さまと一丸となって取り組んでまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大や亀ヶ池温泉の焼失など、予期せぬ事態の対応に追われたこともあり、まだまだやり残したことがあるという思いから、3期目を目指すにあたり、引き続き「未来への責任」を掲げ、山積する課題に全力で取り組む決意を固めた次第でございます。このため、これまでの成果と課題をしっかりと検証し、今後策定する「伊方町第3次総合計画」に反映をさせ、その計画を実行に移してまいりたいと考えており、とりわけ、町の喫緊の課題である人口減少対策と防災対策を軸に、様々な事業を展開してまいります。
具体的には、町の基幹産業である農業については、後継者の育成と新規就業者の確保が急務となっており、安定した生産体制の整備と農家所得の向上を図るため、引き続き共選広域化への支援や町内の柑橘加工施設の整備について検討してまいります。水産業については、昨年策定した「伊方町水産業振興計画」に基づき、水産業を「環境変化に強く、活気ある持続可能な産業」にするため、漁獲量の減少を補う加工品開発と販路拡大への支援等に取組んでまいります。
福祉政策につきましては、引き続き町内で子どもを産み、安心して育てていける環境をつくるため、様々な子育て支援や、高齢者が生きがいをもって安心して暮らせる環境をつくるため、道半ばでありますが集落のグループホーム化を推進してまいります。
観光の分野においては、昨年、佐田岬半島ミュージアムのオープンや亀ヶ池温泉のリニューアルなど、新たな観光施設の充実に努めました。今後は、瀬戸アグリトピア宿泊棟の改修と運営支援に努めるとともに、佐田岬観光公社と連携し、佐田岬半島が持つ豊かな自然を活かしたまちづくりに取り組んでまいります。
教育の分野におきましては、今後、学校再編が進んでまいりますので、児童・生徒にとって、より良い学校環境づくりに努めるとともに、老朽化した学校施設の改修や通学支援を行うなど、さらなる教育環境の充実を図ります。また現在、町民グラウンドの新たな活用方針について検討しており、多世代でスポーツを楽しむことができ、住民の交流や繋がりの場として、誰からも親しまれるような施設整備に努めてまいります。
防災対策につきましては、本年は能登半島地震に始まり、その後、県内でも最大震度6弱の揺れを経験したことなどから、各家庭での備蓄対策や生活用水確保対策、家具の固定化支援などを行って参りました。また、8月には、運用開始後初となる南海トラフ地震臨時情報の発表により1週間の緊張状態を経験するなど、改めて、南海トラフ地震は必ず起きることを前提に、対策を講じる必要があると感じた次第でございます。特に本町は、原子力発電所が立地していることから、多様な避難手段を確保する必要があります。このため、ヘリポートの整備や高規格道路の伊方方面への延伸要望、さらには豊予海峡ルートの実現に向けて声を上げていきたいと考えております。
最後に、原子力発電所対策についてです。伊方3号機は今月15日に運転開始から30年が経過します。いわゆる「高経年化炉」に該当することから、四国電力では法に基づき、安全機能を有する機器や構造物等について、経年劣化に関する技術的な評価を行い、今後10年間に実施すべき長期的な施設管理に関する方針をとりまとめ、昨年11月に国へ申請いたしました。これを受けて原子力規制委員会が約1年をかけて審査を行い、本年10月に認可されたところでございます。
国の審査内容については、先月開催された、原子力発電対策特別委員会において、原子力規制庁から説明があったとおりでございますが、町としましては四国電力に対して、今後、「国内外で得られた新たな知見に適切に対応をすること」、「日々の保全活動を確実に実施すること」、さらに、「経年劣化の兆候が見られた機器については積極的に交換をすること」など、徹底した安全対策を求めたところでございます。今後も伊方発電所の運転にあたっては、安全への不断の追求と徹底した情報提供を求めるなど、住民の安心・安全の確保に努めてまいります。
以上、私が考えます所信の一端について、申し述べさせていただきましたが、今後とも就任当初の初心を忘れず、町が持っている無限の可能性と、町が抱えている様々な課題解決に、全力で取り組むことにより「未来への責任」をしっかりと果たしてまいる所存でございますので、議員各位はじめ、町民の皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、お願いを申し上げます。
さて、今定例会に提案をいたします案件は、予算の専決1件、条例制定8件、補正予算6件、その他6件でございます。
いずれも、町政を進めるうえで、非常に重要な案件でございます。
会期中、よろしくご審議のうえ、ご決定賜りますよう、お願いを申し上げ、招集のあいさつといたします。
どうぞ、よろしくお願いいたします。