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伊方町が平成30年度に実施した電源三法交付金等事業の紹介
平成30年度電源三法交付金等事業の紹介
電源三法(電源開発促進税法、特別会計に関する法律、発電用施設周辺地域整備法)交付金は、発電用施設の設置に係る地元の理解促進や原子力に関する知識の普及等を図ることを目的として、立地地域及び周辺地域が行う公共用施設整備や地域活性化事業、住民福祉の向上に関する事業など、幅広い事業に対して交付されます。
平成30年度に伊方町が交付を受けた電源三法交付金は次の交付金です。
〇電源立地地域対策交付金
〇広報・調査等交付金
〇原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金
ここでは、平成30年度に町が実施した電源三法交付金事業について紹介します。
〇電源立地地域対策交付金事業
電源立地地域対策交付金は、電源地域における福祉の向上や地域振興を図り、発電用施設の設置及び運転を円滑に進める事を目的として、交付される交付金です。
電源立地地域対策交付金を活用して実施した主な事業は次のとおりです。
事 業 内 容 | 事業費 | 交付金充当額 | 事業概要 | |||||||||||||||||
町道宇和海線カーブ改良工事 | 26,986,000円 | 26,941,000円 | L=24.25m | |||||||||||||||||
町道奥石見線防護柵修繕工事 |
17,322,000円 |
17,000,000円 | L=746.0m | |||||||||||||||||
町道大佐田名取口線測量設計委託業務 | 3,251,000円 | 2,900,000円 | 計画延長 L=70.0m | |||||||||||||||||
伊方町塵芥収集車等整備事業 | 16,569,740円 | 16,000,000円 | 塵芥収集車両2台、2tダンプ1台 | |||||||||||||||||
伊方町防災情報カメラ設備整備事業 | 44,280,000円 | 43,000,000円 | 町内22か所に災害時監視カメラを整備 | |||||||||||||||||
伊方斎場床改修工事 | 2,624,400円 | 2,000,000円 | 炉前ホール床面改修 | |||||||||||||||||
スクールバス購入事業 | 5,892,060円 | 4,500,000円 | バス車両1台(りゅうおう号) | |||||||||||||||||
伊方町電源立地地域対策交付金 (近赤外光品質維持装置整備)事業 |
11,543,000円 | 11,540,000円 | 近赤外光品質維持装置整備2台 | |||||||||||||||||
伊方町国民健康保険九町診療所往診車整備事業 | 1,723,540円 | 1,400,000円 | 往診用車両1台 | |||||||||||||||||
伊方町立小中学校空調設備整備事業 | 184,356,000円 | 135,000,000円 |
町内全小中学校にエアコン整備 |
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伊方町立小中学校トイレ改修工事 | 18,414,000円 | 8,000,000円 | 町内小中学校トイレを洋式化及び一部ウォシュレット化 | |||||||||||||||||
瀬戸デイサービスセンター空調設備更新事業 | 7,824,600円 | 6,000,000円 | 空調設備の更新 | |||||||||||||||||
伊方町電源立地地域対策交付金 公共用施設維持運営基金造成事業 |
756,499,000円 | 756,499,000円 | 公共施設の人件費、光熱水費のための基金造成 | |||||||||||||||||
合 計 | 1,097,285,340円 | 1,030,780,000円 |
・町道宇和海線の改良と町道奥石見線のガードレールの整備を行う事により、生活道としての利便性向上と、避難道としての安全性を高めました。
・町内22か所に災害時用カメラを設置する事により、災害時の迅速でリアルタイムな画像情報の収集が可能となり、防災力の強化を図りました。
・スクールバスを整備し、児童の通学時の安心・安全の確保、負担軽減により、教育環境、教育体制の充実を図りました。
・伊方選果場に近赤外線品質維持装置を整備しました。これは出荷された柑橘を選果する際に近赤外線を照射し、腐敗を抑える装置で、これにより主幹産業である農業の振興を図りました。
・町内の全小中学校に空調設備を整備することにより、児童・生徒の健康維持、教育環境の充実を図りました。また、トイレの洋式化を行い、一部をウォシュレット化するなど、子供たちの教育環境の改善にも交付金を活用しております。
広報・調査等交付金は、原子力発電に係る知識の普及や生活への影響に関する調査等の事業に対して交付され、原子力発電施設等についての理解向上を図るための交付金です。
伊方町が実施した主な事業は次のとおりです。
事業内容 | 事業費 | 交付金充当額 |
調査事業 | 3,567,525円 | 3,462,010円 |
広報事業 | 9,919,442円 | 8,923,315円 |
合 計 | 13,486,967円 | 12,385,325円 |
伊方原子力広報センターに事業委託し、伊方発電関連施設等の見学会を開催し、原子力の仕組み等に関する知識の普及啓発を行いました。
また、一般の方に放射線に関する正しい知識を持ってもらうため、放射線についてのセミナーを3会場(湊浦地区、三机地区、松地区)で実施しました。
〇愛媛県原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金
原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金は、再稼働や廃炉など発電所を取り巻く環境変化が、町に与える影響を緩和するための支援として交付される交付金です。
伊方3号機の再稼働による交付については愛媛県から愛媛県原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金として、平成30年度から5年間、交付されます。
県の交付金(再稼働枠)を活用して実施した主な事業は以下のとおりです。
事業内容 | 事業費 | 交付金充当額 | 事業概要 |
小型動力ポンプ購入事業 | 9,720,000円 | 6,000,000円 | B-3級小型動力ポンプ2台 (灘分団2部(中之浜)、伊方西分団2部(中浦)、九町分団4部(西・久保)、瀬戸中央分団1部(塩成)、神松名分団2部(名取)) |
鳥津道路新設基金造成事業 | 87,000,000円 | 87,000,000円 | 基金造成 |
町道宇和海線道路改良工事 | 67,240,000円 | 57,000,000円 | 道路改良 L=80.0m |
町道路面整備事業 | 22,267,000円 | 18,000,000円 |
路面整備 |
合 計 | 186,627,000円 | 168,000,000円 |
町道宇和海線道路(塩成~川之浜間)の改良工事を実施することで、各公共施設へのアクセスの改善と地域間交流の充実、地域住民の生活の向上を図りました。
また、老朽化した小型動力ポンプ5台を更新し、迅速な消防団活動体制の維持を図りました。伊方町消防団は操法大会でも優秀な成績を残す、県内屈指の組織力を誇る自治消防組織です。
〇原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金
伊方1号機と2号機の廃止により交付される原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金は、それぞれ平成29年度と令和元年度から10年間、国から交付されます。
平成30年度に伊方町が交付金を活用して実施した事業は以下のとおりです。
事 業 内 容 | 事業費 | 交付金充当額 | 事業概要 |
田之浦漁港けい船護岸新設及び防波堤改良工事 | 43,400,000円 | 43,000,000円 | けい船護岸新設 L=70m 防波堤改良 L=42m |
伊方スポーツセンター設備機器更新工事 | 74,828,000円 | 72,000,000円 | 熱源機器及び受変電設備更新 |
三崎総合体育館改修工事 | 107,659,000円 | 104,000,000円 | 建物防水、外壁改修・塗装、電気設備改修 他 |
一般廃棄物最終処分場浸出水処理施設設備修繕工事 | 1,944,000円 | 1,700,000円 | 浸出水ろ過設備修繕 |
三崎総合体育館音響設備更新事業 | 3,780,000円 | 3,222,222円 | スピーカー、音響卓 |
合 計 | 231,611,000円 | 223,922,000円 |
田之浦漁港の防波堤の内側にけい船護岸の整備と防波堤を改良することで、漁港施設を有効利用し、漁業従事者の負担軽減と安全確保を図りました。
三崎総合体育館の電気設備等の経年劣化がみられたため、施設の改修を実施し、利用者が施設を快適に使用することで、地域住民の健康管理、体力の維持・増進を図りました。
〇エネルギー構造高度化・転換理解促進事業費補助金
エネルギー構造高度化・転換理解促進事業費補助金は、 電源三法に基づく交付金ではありませんが、エネルギー構造の高度化等に向けた理解促進のための事業に対する補助金で、経済的社会的環境に応じた安定的で適切なエネルギーの需給構造の構築を図ることを目的とした補助金です。
平成30年度に、この補助金を活用して実施した事業は以下のとおりです。
事 業 内 容 | 事業費 | 交付金充当額 | 事業概要 |
伊方町エネルギーモデル |
35,447,780円 | 35,447,780円 |
・「佐田岬はなはな」における再生可能エネルギー等活用設備導入に関する調査研究及び地域振興効果の研究 |
伊方町では平成29年度に地域エネルギービジョンを策定しましたが、その中で2つの先行プロジェクトを掲げました。
平成30年度には、その2事業について、その他の現行の町の各種計画との整合性を図りつつ、具体的な導入可能性についての調査を行いました。具体的には、
・公共施設の利用状況やエネルギー使用量の現状を調査し、再生エネルギー施設導入の具体案の検討や導入の効果を調査し、今後の具体的方針をまとめました。
・観光交流拠点施設「佐田岬はなはな」への再エネ施設導入を検討し、地中熱利用のためのサーマルレスポンステストを始めとした調査及び各種検討を行い、今後の具体的方針をまとめました。
・再生エネルギー施設導入による経済波及効果の試算及び「佐田岬はなはな」関係者、利用者への聞き取り調査等を実施し、地域振興への各種効果を調査結果としてまとめました。