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高輝度青色発光ダイオード並び紫色半導体レーザーの開発により、
ノーベル物理学賞受賞という世界的偉業を成し遂げた
旧瀬戸町出身の科学者・中村修二さんを紹介します。
中村 修二(なかむら しゅうじ)
(カリフォルニア大学サンタバーバラ校材料物性工学部 教授)
電子材料、結晶成長、半導体デバイス
高輝度青色発光ダイオード並びに紫色半導体レーザーの開発。
これらは普段は耳慣れないことばですが、夢の製品として世界中に注目されている製品なのです。
発光ダイオードとは電気を通すと青く光る半導体のことです。光の3原色(RGB=赤・緑・青)のうち、赤と緑はすでに開発されていました。
青が開発されれば多くの色を創り出すことができるのですが、長い間、世界の先進企業でも青は開発できず、実現は21世紀とも言われていました。
そんな20世紀の1993年、中村さんの元勤務先である、徳島県の「日亜化学工業」が、世界で最初に量産化を実現させました。中村さんはたった一人で青色発光ダイオードの開発を成功させたのです!
地方の中堅化学メーカーであったこの会社は、一躍世界で有名になりました。この分野の技術者や研究者は、みな驚きショックを受けました。
中村さんは「独創性」と「粘り」を大事にしながら、長い間努力して世紀の偉業を成し遂げたのです。
現在、中村さんは日本を離れ、米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校の教授として教鞭をとりながら、また研究者として「発光ダイオードの新たなる可能性」について研究を続けています。
青色発光ダイオードの開発で光の三原色がそろいました。発光ダイオードは、省電力で高出力。白色を作り出すこともできるので、蛍光灯に取って代わることになるでしょう。
また、大型画面や電光掲示板などの実用化が可能になります。この技術は、次世代DVDをも生むきっかけにもなりました。
他にも多くの用途が考えられ、なんと年間2,000億円規模の市場価値があると言われています。ゆえに発光ダイオードは「夢の製品」といわれているのです。
昭和29年 | 5月 | 愛媛県西宇和郡 旧瀬戸町に生まれる |
昭和52年 | 3月 | 徳島大学工学部電子工学専攻 卒業 |
昭和54年 | 3月 | 徳島大学工学部大学院 修士課程修了 |
昭和54年 | 4月 | 日亜化学工業株式会社入社 |
昭和63年 | 4月 | フロリダ大学 客員研究員 |
平成 6年 | 9月 | 徳島大学より工学博士を授与 |
平成 8年 | 4月 | 日亜化学工業株式会社 主幹研究員 |
平成12年 | 2月 | カリフォルニア大学サンタバーバラ校材料物性工学部 教授 |
平成26年 | 10月 | ノーベル物理学賞を授与すると発表 |
旧瀬戸町立大久小学校入学式(昭和36年)の記念写真。
※上から2段目の向かって左から2人目が中村さんです。
現在はカリフォルニア大学サンタバーバラ校にて活躍中です。
中村さんおすすめの3冊です!
書籍名 | 怒りのブレイクスルー―常識に背を向けたとき「青い光」が見えてきた |
著者 | 中村 修二 |
出版年 | 2001年4月 |
出版社 | ホーム社 |
書籍名 | 21世紀の絶対温度―科学者の眼から見た現代の病巣の構図 |
著者 | 中村 修二 |
出版年 | 2002年4月 |
出版社 | ホーム社 |
書籍名 | 「中村修二の反乱 」 文芸シリーズ |
著者 | 畠山 けんじ |
出版社 | 角川書店 |
出版年 | 2001年10月 |
内 容 | 旧瀬戸町のことも詳しく書かれています。 |