○伊方町差別のない人権尊重の町づくり条例
令和7年3月17日
条例第14号
伊方町人権尊重の町づくり条例(平成17年伊方町条例第2号)の全部を改正する。
全ての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。これは、世界人権宣言にうたわれている人類普遍の原理であり、基本的人権を侵すことのできない永久の権利として全ての国民に保障している日本国憲法の精神にかなうものである。この理念の下に、お互いの人権が尊重され、誇りをもって生きることができる差別と偏見のない社会が実現されなければならない。
しかしながら、今もなお、人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、職業、障がい、感染症等の病気、被差別部落の出身であることその他の事由を理由とする不当な差別が存在しており、また、情報化の進展、少子高齢化等の地域社会の変化、経済社会の構造の変化等によって、人権に関する課題の複雑化及び多様化が進んでいる。こうしたあらゆる人権に関する課題を解消していくためには、町、町民及び事業者等が協力して、人権課題の解決に向けた取組を一層推進していく必要がある。
ここに伊方町は、全ての町民が不当な差別を受けることなく個人として尊重される町づくり実現のためこの条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、差別のない人権尊重の町づくりに関し、町、町民及び事業者等の責務を明らかにするとともに、人権に関する施策(以下「人権施策」という。)の基本となる事項及び不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する事項を定めることにより、差別のない人権尊重の町づくりを総合的かつ計画的に推進し、もってあらゆる人権に関する課題解消を図るとともに、共に生きる社会の実現に資することを目的とする。
(1) 不当な差別 社会的身分、人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、職業、障がい、感染症等の病気、被差別部落の出身であることその他の事由を理由とする不当な差別をいう。
(2) 町民 町の区域内に在住、在勤又は在学をする個人をいう。
(3) 事業者等 町の区域内において、営利又は非営利を問わず、事業その他の活動を行う法人その他の団体及び個人をいう。
(町の責務)
第3条 町は、この条例の目的を達成するため、不当な差別を解消するための施策その他の人権施策を国及び県、各関係機関等と連携を図りながら協力して、総合的かつ計画的に推進しなければならない。
(町民及び事業者等の責務)
第4条 町民及び事業者等は、町の実施する不当な差別を解消するための施策その他の人権施策に協力するよう努めなければならない。
(不当な差別の禁止)
第5条 何人も、社会的身分、人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、職業、障がい、感染症等の病気、被差別部落の出身であることその他の事由を理由とする不当な差別を行ってはならない。
(基本計画)
第6条 町長は、不当な差別を解消するための施策その他の人権施策を総合的かつ計画的に推進するため、基本計画を策定するものとする。
2 基本計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 人権施策の基本理念及び基本目標
(2) 人権に関する基本的施策
(3) 人権教育及び人権啓発に関すること。
(4) 相談支援体制に関すること。
(5) 差別の解消に向けた施策に関すること。
(6) 人権施策の推進に資する調査に関すること。
(8) 人権問題における分野ごとの施策に関すること。
(9) 前各号に掲げるもののほか、人権施策を推進するために必要な事項
3 町長は、基本計画を策定しようとするときは、あらかじめ、第11条に規定する人権尊重の町づくり推進協議会の意見を聴くとともに、町民の意見を反映することができるような必要な措置を講ずるものとする。
4 町長は、基本計画を策定したときは、これを公表するものとする。
(人権教育及び人権啓発)
第7条 町は、不当な差別を解消し、並びに差別のない人権尊重の町づくりに対する町民及び事業者等の理解を深めるため、人権教育(人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(平成12年法律第147号)第2条に規定する人権教育をいう。)及び人権啓発(同条に規定する人権啓発をいう。)を推進するものとする。
2 町は、学校教育、社会教育その他の生涯を通じたあらゆる教育の場において、人権に関する知識や理解を深めるために必要な取組を行うものとする。
3 町は、差別のない人権尊重の町づくりの推進に関して、地域の実情に応じた教育及び啓発に努めるものとする。
4 学校教育、社会教育その他のあらゆる教育及び保育に携わる者及び行政関係職員等は、人権意識の高揚並びに多様性を認め合う心の形成に配慮した教育及び啓発に努めるものとする。
(相談体制の整備)
第8条 町は、人権に関する相談に的確に応ずることができるよう、人権に関する相談に対応するための窓口の設置、相談に応ずる者の資質向上を図る等必要な体制の整備を行い相談体制の充実を図るものとする。
(人権侵害による被害に係る支援)
第9条 町は、不当な差別その他の人権侵害による被害の救済を図るため、国その他関係機関、町民及び事業者等と連携し、相談の実施、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。
(情報の収集及び調査研究)
第10条 町は、不当な差別を解消するための施策その他の人権に関する施策を効果的に実施するため、必要な情報の収集及び調査研究を行うものとする。
(人権尊重の町づくり推進協議会)
第11条 第6条第2項に定めるもののほか、不当な差別のない人権尊重の町づくりの推進に関する重要事項について、町長の諮問に応じ、調査審議するため、伊方町人権尊重のまちづくり推進協議会(以下「協議会」という)を置く。
2 協議会の組織及び運営等に関し必要な事項は、町長が別に定める。
(インターネット上の誹謗中傷等の未然防止措置及び支援)
第12条 町は、インターネットを利用して情報を発信する者の表現の自由その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しつつ、次に掲げる施策を講ずるものとする。
(1) インターネット上の誹謗中傷等(インターネットを利用した情報の発信で、誹謗中傷、プライバシーの侵害その他の人権を侵害することとなるものをいう。次号において同じ。)を未然に防止するために必要な教育、啓発その他の施策
(2) インターネット上の誹謗中傷等による被害者の支援を図るために必要な施策
附則
この条例は、令和7年4月1日から施行する。