○伊方町認知症総合支援事業実施要綱

令和元年7月31日

告示第32号

(目的)

第1条 この告示は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、介護保険法(平成9年法律第123号。)第115条の45第2項第6号に規定する事業の実施に関し必要な事項を定めるものとする。

(実施主体)

第2条 この事業の実施主体は町とする。ただし、事業を他に委託することにより適切な事業運営が確保できると認められるときは、町長が認める法人その他の団体に事業の全部又は一部の委託(以下「事業委託」という。)をすることができる。

2 町長は、前項の規定による委託を受けた者(以下「受託者」という。)の行う事業について、適切な運営が確保されないとき又はそのおそれがあると認めるときは、当該委託の契約を解除するものとする。

3 事業委託に係る業務の範囲、条件その他必要な事項は、事業委託を行う法人その他の団体との契約により、別に定める。

(事業内容)

第3条 事業の内容は、次に掲げるものとする

(1) 認知症初期集中支援推進事業

(2) 認知症地域支援・ケア向上事業

(3) その他認知症が疑われる人、認知症の人(以下「認知症の人等」という。)及びその家族等に対する支援に関し必要な事業

(認知症初期集中支援推進事業)

第4条 町長は、認知症の人等及びその家族に早期に関わる伊方町認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を設置し、早期診断及び早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする認知症初期集中支援推進事業を行うものとする。

(支援チームの役割)

第5条 支援チームは、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症の人等及びその家族を訪問し、観察・評価、家族支援等の初期の支援を包括的、かつ、集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。

2 支援チームは、介護保険主管課職員、地域包括支援センター職員、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、認知症サポート医、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師、介護事業者等との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保するものとする。

(支援チームの構成等)

第6条 支援チームは専門職2人以上及び専門医1人(以下「チーム員」という。)をもって構成する。

(1) 専門職は、次に掲げる要件を満たす者とする。

 保健師、看護師、准看護師、作業療法士、歯科衛生士、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者

 認知症ケア又は在宅ケアの実務、相談業務等に3年以上携わった経験がある者

 国が別途定める認知症初期集中支援チーム員研修を受講し、必要な知識及び技能を修得した者。ただし、町長がやむを得ない理由があると認める場合には、国が定める研修を受講したチーム員が受講内容をチーム内で共有することを条件として、同研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。

(2) 専門医は、日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断書等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ、認知症サポート医である医師。ただし、上記医師の確保が困難な場合には、次に掲げる医師も認めることとする。

 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師で、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定のある者

 認知症サポート医で、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有する者(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

2 チーム員は、国が別に定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、必要な知識及び技能を修得するものとする。

3 前項の規定にかかわらず、町長は、やむを得ないと認める場合には、同項に規定する研修を受講したチーム員が当該研修の受講内容を共有することを条件として、当該研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。

(チーム員の役割)

第7条 チーム員は、次に掲げる業務を行うものとする。

(1) 支援チームの役割及び機能についての広報活動に関すること。

(2) 認知症の人等及びその家族に対する情報収集及び訪問支援並びにアセスメント等の認知症の初期集中支援に関すること。

(3) 認知症初期集中支援における関係機関等との連携に関すること。

(チーム員会議)

第8条 支援チームは、支援対象者へ医療サービス及び介護サービスが円滑に導入されることを目的とし、専門医も含めたチーム員会議で支援の方向性を決定していく。

(1) チーム員会議の所掌事務は、次に掲げるものとする。

 訪問支援対象者の課題及び必要な支援についてのアセスメント

 アセスメント内容に応じた、支援方針、支援内容、支援頻度等の検討

(2) チーム員会議は、必要に応じて、かかりつけ医、介護支援専門員、関係課職員等の参加を依頼するものとする。

(認知症初期集中支援推進事業の対象者)

第9条 認知症初期集中支援推進事業の対象者は、町内に在住する40歳以上の認知症の人等で、次の各号に掲げる基準のいずれかに該当し、認知症初期集中支援事業の利用に本人又は家族が同意した者とする。

(1) 医療サービス及び介護サービスを受けていない者又は中断をしている者で次のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

 診断されたが介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス及び介護サービスを利用しているが認知症の行動・心理症状が顕著なために苦慮している者

(認知症初期集中支援推進事業の内容等)

第10条 認知症初期集中支援推進事業の内容は、次に掲げるとおりとする。

(1) 認知症の理解を深めるための正しい知識の普及及び啓発の推進に関すること。

(2) 認知症の人等の容態の変化に応じた医療・介護サービス等の連携・調整に関すること。

(3) 認知症の人等の介護者に対する支援に関すること。

(4) 認知症の人等に対する支援に関すること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、認知症の人等及びその介護者に対する支援に関すること。

(普及及び啓発)

第11条 町長は、前条第1号に規定する認知症の理解を深めるための正しい知識の普及及び啓発に関する施策として、認知症サポーター養成講座等の実施その他認知症の理解を深めるために資する事業を実施するものとする。

(認知症施策推進検討委員会)

第12条 認知症初期集中支援チームの活動状況を検討し、地域の実情に応じた効果的な認知症施策を推進するため、認知症施策推進検討委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、次に掲げる事項について検討を行うものとする。

(1) 支援チームの活動状況に関すること。

(2) 認知症に関する関係機関との連携に関すること。

(3) 町の認知症施策の推進に関すること。

(4) その他の支援チームの活動について必要な事項に関すること。

3 検討委員会は、委員10人以内をもって組織する。

4 委員は、医療、保健、福祉等に携わる関係機関の代表者等のうちから町長が委嘱する。

5 委員の任期は、委嘱の日から当該日の属する年度の翌々年度の末日までとする。ただし、再任を妨げない。

6 委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

7 検討委員会に会長及び副会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

8 会長は、検討会を代表し、会務を総理する。

9 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

10 検討委員会の会議は、会長が必要に応じ招集し、会長が議長となる。

11 検討委員会の庶務は、伊方町地域包括支援センターにおいて処理する。

(認知症地域支援・ケア向上事業)

第13条 町長は、医療機関及び介護サービス並びに地域の支援機関の間の連携を図るための支援並びに認知症の人等及びその家族を支援する相談業務等を行う認知症地域支援推進員(以下「推進員」という。)を配置し、推進員を中心とした医療、介護等の連携強化等による地域における支援体制の構築及び認知症ケアの向上を図ることを目的とする認知症地域支援・ケア向上事業を行うものとする。

(推進員の配置)

第14条 推進員は、次の各号のいずれかの要件を満たす者を地域包括支援センター等に配置するものとする。

(1) 認知症の医療又は介護における専門的知識及び経験を有する医師、薬剤師、保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士及び介護福祉士

(2) 前号に掲げる者以外のもので、認知症介護指導者養成研修修了者等認知症の人等の介護又は医療における専門的知識及び経験を有する者として町長が認めた者

(推進員の業務内容)

第15条 推進員の行う認知症地域支援・ケア向上事業の内容及び方法は、次に掲げるとおりとする。

(1) 認知症の人等が必要な医療や介護等のサービスが受けられるようにするための関係機関との連携及び調整等の支援に関すること。

(2) 認知症の人等を支援する地域の人材やサービス拠点等の社会資源の情報収集及び提供に関すること。

(3) 認知症の人等への支援を行う関係者に対する研修会等の企画、調整及び実施に関すること。

(4) 地域住民等に対する認知症の正しい理解の普及啓発に関すること。

(5) 前各号に定めるもののほか、認知症の人等に対する支援に関して必要な事項に関すること。

(守秘義務等)

第16条 チーム員、推進員及び受託者は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び伊方町個人情報保護条例(平成20年伊方町条例第24号)の規定等を踏まえ、個人情報及びプライバシーの尊重及び保護に万全を期すものとし、正当な理由がなくその事業に関して知り得た個人に関する情報その他の秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(その他)

第17条 この告示に定めるもののほか必要な事項は、町長が別に定める。

この告示は、令和元年8月1日から施行する。

伊方町認知症総合支援事業実施要綱

令和元年7月31日 告示第32号

(令和元年8月1日施行)