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平成27年9月 第42回定例会招集あいさつ

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 皆さん、おはようございます。    

    本日ここに、伊方町議会 第42回定例会を招集いたしましたところ、議員各位には、ご多忙の中、全員のご出席をいただきまして、提案申し上げます案件につき、ご審議いただきますことに対し、深く敬意と感謝を申し上げる次第であります。             
また、各位には日頃から町政の推進に格別のご理解とご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。   

    さて、季節は秋を迎え、朝夕・随分過ごしやすい季節となりました。                                                      一方、町内では収穫の秋ということで、今後は柑橘の収穫作業等、大変忙しい時期を控えておりますが、台風シ-ズンでもございます。近年地球温暖化による影響からか、台風だけでなく、ゲリラ豪雨や竜巻などが突然発生したり、豪雨が一か所に集中して降り続いたりするなど、これまでの常識を超えた自然の猛威によって、全国各地で甚大な被害が生じております。                                                                           
  特に、先に発生した関東集中豪雨では、鬼怒川の決壊により、広範囲に亘る甚大な被害が生じたことから、被災地域においては一日も早い復旧作業が望まれるところでありますが、被災された地域の方々に対し、心からお見舞い申し上げますと共に、一日も早く平穏な暮らしが戻るよう、願うばかりでございます。

 次に、伊方原発3号機の再稼働問題についてでございますが、議員各位もご承知のとおり、伊方3号機の安全審査については、原子力規制委員会が平成25年7月8日に新規制基準を施行し、同日、四国電力株式会社は、原子力規制委員会へ原子炉設置変更許可申請を行うと共に、伊方町に対して、安全協定に基づく新規制基準への適合に係る設備等に関する事前協議を申し出ております。

 このことを受けまして、町では伊方町環境監視委員会において、原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査の進捗状況をみながら、伊方3号機の安全性確保対策等について継続して調査を進めて参りました。             
 その後、原子力規制委員会は、申請から2年を経た今年7月15日に、75回に亘る審査会合を開催し、伊方3号機が新規制基準に適合することを認め、原子炉設置変更許可を行いました。

 また、2日後の7月17日には、経済産業省資源エネルギ-庁の上田長官が伊方町を訪れ面会し、『立地自治体の理解と協力を得て、伊方3号機の再稼働を進めたい』との、政府の方針を記した文書を持参されたほか、宮沢大臣からも直接電話をいただきまして、大臣のお考えをお聞きしたところであります。

 そのようなことから、伊方3号機の再稼働の是非について、地元立地自治体の長として、非常に重い判断を求められているところでありますが、町議会におかれましては、原子力発電対策特別委員会において精力的なご審議をいただいているところであり、今定例会の会期中には、議会としての判断が示されるようでございますので、議会がどのように判断をされるのか、その結果につきましては、私の、大きな判断材料として、今後の議会の審議状況を注視させていただきたいと思っております。

 ちなみに、伊方町環境監視委員会の開催状況でございますが、福島の事故以降、10回の会議と2回の現地調査を行い、先週25日の会議において、現時点における環境監視委員会としての審議結果をとりまとめ、私のもう一つの判断材料が示されたところでありますので、今後の町議会の判断結果もふまえて、総合的に判断をさせて頂きたいと思っております。  

 なお、環境監視委員会においてとりまとめされた審議結果の内容についてご紹介いたしますと、まず1点目として、これまで環境監視委員会で調査し、確認作業を行ってきた伊方3号機の安全確保対策については、原子力規制委員会からの審査結果の説明、また、四国電力株式会社からは、独自の安全対策及び更なる揺れ対策について説明を受けたほか、発電所での現地調査を行った結果、現時点で求められている安全対策等が講じられていることを確認したこと。

 2点目は、伊方3号機の再稼働に向けた政府の方針について、経済産業省・資源エネルギ-庁から説明を受け、エネルギ-基本計画において「原発依存度は、省エネルギ-・再生可能jエネルギ-の導入や火力発電所の効率化などにより可能な限り低減させる」との方針のもと、原子力発電をベ-スロ-ド電源として位置づけ、原子力規制委員会によって、世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合は、原子力発電所の再稼働を進め、もしも万が一事故が起きた場合には、政府が責任をもって対処する。という文書に記載された内容が国としての揺るぎない姿勢であることを確認したことで、環境監視委員会としては、伊方3号機の再稼働に向けた政府の方針について、一定の理解を示すこととするということ。

 最後の3点目は、国及び四国電力株式会社の説明において示された、伊方3号機における世界最高水準の安全性の確保及び地域との信頼性向上の取り組みについて、今後も不断に追及していくことの確約を、改めて国及び四国電力株式会社に求めると共に、環境監視委員会としては、今後も伊方3号機の安全確保対策が適切に行われていることについて継続して調査を行っていく。

 という3点について、全会一致で異議なく承認されたものであります。

 しかしながら、審議の過程においては、万が一の事故を想定した非常に厳しいご意見もございました。その背景には、先の福島の事故に伴い、被災地では今もなお、ふるさとを離れて避難生活を余儀なくされている現状を目の当たりにし、原子力規制委員会が世界一厳しい規制基準による審査によって、その安全性を確認したといっても、一方では、想定外の事象が発生する可能性がゼロではないこと。

 また、『リスクがゼロであるとか絶対安全だとは言わない』との、原子力規制委員会田中委員長の発言からも、万が一の事故に対する不安を払しょくすることが困難なことから、厳しい意見が生じたものと受け止めております。          
 いずれにしましても、行政といたしましては、町民の皆さんが、安全な生活環境の中で、安心して暮らせるよう努めることが責務であります。

 伊方3号機の再稼働の有無にかかわらず、平時からの備えとして、福島事故を教訓に、発電所の運転状況の的確な把握と、住民の生命財産に関わる事象や情報については、正確で分かりやすい広報で、迅速に周知すると共に、町が策定する住民の避難行動計画については、訓練を重ねて検証と見直しを行いながら、その実効性を高めることによって、万が一の事故に備え、不安解消に努めていくことが重要となって参ります。

 まさに、原発の安全性確保対策や、地域防災計画・避難計画の整備については、「完璧」や「終わり」はなく、今後も継続して内容の充実・強化に努めていく取り組みが必要であり、このことに尽きると思っております。

 一方で、伊方町はこれまで、原子力発電所との共存によって、過疎と高齢化が進み地理的条件が非常に厳しい状況下であっても、原発の立地町として持続的な発展を遂げて、町民の豊かな暮らしを実現して参りました。              
 そのようなことから、町内からは再稼働を求める多数のご意見が届いておりますし、先ほど紹介したような、不安に対する非常に厳しいご意見もございます。

 私といたしましては、町内の意見を集約して、伊方3号機の再稼働の是非についての重い判断を下さなければならない、非常に大きな重圧の中にあり、また、その判断の時期も迫っていると感じております。

 つきましては、町政において車の車輪として例えられる町議会の皆さまでございます。会期中、様々な角度からこの再稼働問題についてのご審議を賜りまして、適切なるご判断ご決定をいただき、今後、伊方町が目指すべき方向性について、ご指導やご助言をいただければ大変有難い。このように考えておりますので、よろしくお願い申し上げる次第でございます。

  さて、今定例会に、ご提案する案件でございますが、いずれも、町政を進める上で、非常に重要な案件であります。会期中よろしくご審議のうえ、ご決定賜りますようお願い申し上げ、招集の挨拶とさせていただきます。

    どうぞ、よろしくお願いいたします。